過去に行われた富士登山ツアーの
現地レポートをご紹介します!
公開日:2026.1.18
2025年8月24日から25日にかけて実施した「本八合目ご来光&富士山登頂ツアー」の添乗レポートをお届けします。2025年の本ツアー出発日は7月5日・8月1日・8月18日・8月24日の計4回で、今回は最終回の様子をご紹介します。
ツアーは三島駅を出発し、吉田ルートから富士山登頂を目指す1泊2日の行程です。混雑する夜間登山のピーク時間を避け、本八合目付近でご来光を迎えるため、山小屋での仮眠時間を長めに確保。初めての富士登山の方にも安心してご参加いただける内容となっています。
五合目から翌日の下山まで、太子館の富士登山ガイドが同行し、参加者の皆様の安全と登頂をしっかりサポート。的確なペース配分と声かけにより、皆様が安心して登山に集中できる環境をつくっていただきました。
当日は天候にも恵まれ、本八合目付近で迎えたご来光は格別でした。雲海の向こうから昇る太陽が大地を照らし、その荘厳な景色に、自然と歓声と拍手が上がりました。
以下、ツアーの流れに沿って当日の様子を詳しくご紹介します。
目次 - INDEX -
三島駅集合
集合時刻の10時30分、三島駅北口に参加者の皆様が続々と集合されました。東京方面、名古屋方面、大阪方面と、それぞれ新幹線で到着された皆様の表情には、期待と少しの緊張が入り混じっていました。
受付を済ませた後、バスに乗車。車内では添乗員の自己紹介とツアーの流れをご案内し、これから始まる富士登山への意気込みを共有しました。和やかな雰囲気の中、バスは富士スバルラインへと向かいました。
12時過ぎ、標高2,304mの富士スバルライン五合目に到着。バスを降りた瞬間、一気に変わる空気の薄さと涼しさに、参加者の皆様も標高の高さを実感された様子でした。
ここからは太子館専属ガイドが合流し、いよいよ本格的な登山の準備開始です。ガイドからは、高度順応の重要性について丁寧な説明がありました。「焦らず、ゆっくりと体を慣らすことが登頂への第一歩です」という言葉に、皆様真剣に耳を傾けていらっしゃいました。
約1時間半の休憩時間。昼食を取る方、お土産物店を見て回る方、ストレッチをする方など、それぞれのペースで準備を進めていきます。徐々に体が標高に慣れていく大切な時間です。
ツアーでは登山前に毎回立ち寄るのが、レストラン「富士山みはらし」です。ここでは名物の噴火カレーをいただくのが私の定番。富士山型のごはんに溶岩のようなルーがかかった見た目で、出発前から気分が上がります。ほどよい辛さと食べやすい量で、これから始まる登山に向けて自然と元気が湧いてきました。
また、レストラン3階には休憩室とコインロッカーがあり、ビーウエーブツアー参加の方は利用できます。登山準備を整えながら、不要な荷物をロッカーに預けて身軽にしておくと、その後の登りがぐっと楽になります。
登山開始・五合目~六合目
14時頃、いよいよ登山開始です。先頭に立つガイドが全体の様子を見ながら、「歩幅は小さく、呼吸は大きく」を合言葉にペースを作って進みます。今日は八合目の蓬莱館(標高3,150m)を目指す行程で、五合目からの標高差は約850m。休憩を挟みながら行動時間は4〜5時間ほどを見込み、焦らず一歩ずつ登っていきました。この日の天候は晴れ。まさに絶好の登山日和でした。
六合目(標高2,390m)までは比較的緩やかな登山道です。森林限界に近づくにつれ、周囲の景色も徐々に変化していきます。振り返れば、眼下に広がる雲海と富士五湖の美しい眺望。初めての富士登山という方も多く、その景色に感動の声が上がっていました。
ガイドは定期的に休憩を取りながら、参加者全員の体調を確認。「無理をしないこと」を何度も強調し、安全第一の姿勢が徹底されていました。
六合目まではさまざまな高山植物と出会えます。8月下旬はヤマホタルブクロやフジアザミなどが咲いていました。標高が上がるにつれ、平地では見られない貴重な植物たちが姿を現し、参加者の皆様も足を止めて写真を撮られる場面が何度も見られました。森林限界に近づくまでのこの区間は、富士登山ならではの自然を身近に感じられる貴重な時間です。
樹林帯を抜けると「六合目」に到着です。ここで一度呼吸を整え、次の区間に備えます。
六合目~七合目
進むにつれて岩場が増え、傾斜も徐々にきつくなってきました。ここからが正念場です。一歩一歩、確実に足を運ぶ参加者の皆さま。ガイドの「深呼吸を忘れずに」「水分補給をこまめに」という声かけに合わせて、ペースを崩さず進んでいきます。
16時過ぎ、七合目に到着。ここまでくれば、本日の宿泊地である八合目の蓬莱館まであと少し。疲れも見え始めた頃でしたが、「もうすぐ山小屋だ」という期待が、皆様の表情を明るくしていました。
七合目~八合目・蓬莱館到着
1日目最後の登りとなる七合目(標高2,700m)から八合目(標高3,100m)への道のりは、岩場が続きます。その間には6軒の山小屋と七合目救護所が建っています。写真は七合目の2軒目「日の出館」です。宿泊施設とともに売店も併設しているので、飲み物や行動食を購入することができます。どの山小屋にもトイレがあり、協力金を払って利用できます。
ガイドは全員が安全に登れるよう細心の注意を払います。「あと〇〇分で休憩です」「次の目印まで頑張りましょう」と、具体的な声かけが参加者の励みになっていました。
空気も薄くなり、息切れする方も増えてきましたが、こまめな休憩と水分補給で体調を整えながら、着実に高度を上げていきます。
五合目から富士山頂までのちょうど中間点、標高3,150mの蓬莱館に到着しました。ガイドの「お疲れさまでした!」の声がかかると、参加者の皆さまから安堵の笑顔がこぼれます。これで1日目の登山は無事に終了。約4時間歩き切った疲労は見えるものの、全員が自分の足でここまで登ってこられた達成感に満ちた表情がとても印象的でした
蓬莱館では、パーテーションやカーテンで区切られた個室空間が用意されており、プライバシーに配慮された環境でした。荷物を整理し、少し休憩した後は、お待ちかねの夕食タイムです。
夕食は山小屋定番のカレーライスとおかず。さらに、あたたかいスープがとても美味しく、冷えた身体がじんわり温まりました。登山後の身体には何よりのごちそうで、翌日の登頂に向けてしっかりエネルギーを補給します。
標高3,100mを超える場所での睡眠は、普段とは異なる感覚です。寝つけない場合でも、横になって身体を休めるだけで回復につながります。私は慣れてきたのか、その日は比較的すぐに眠ることができました。
2日目
八合目~本八合目ご来光
深夜2時、起床です。まだ眠い目をこすりながら、出発の準備を始める皆様。ヘッドライトを装着し、防寒着を身につけ、いよいよ山頂アタックへ。
外は真っ暗。蓬莱館を出発し、ヘッドライトの明かりを頼りに進みます。山頂を目指す登山者のピークを過ぎた時間帯のため、登山道は比較的空いており、落ち着いて歩みを進めることができました。岩場は終わっており、蓬莱館から再びジグザグ道です。
暗闇の中は一列になって進みます。先頭のガイドが全体の呼吸や足取りを見ながらペースを作ってくれるので、無理のない速度で少しずつ高度を上げていきました。途中、振り返ると、眼下に広がる街の明かりと星空のコントラストが美しい光景。「すごい...」と、何度も見ていますが思わず声が出てしまいました。
5時30分頃、本八合目(標高3,400m)付近の休憩スポットに到着しました。東の空が少しずつ明るくなり始め、いよいよご来光の時間が近づいてきます。
そして、待ちに待ったご来光。雲海の向こうから太陽がゆっくり昇りはじめ、最初は小さな光の点だったものが、次第に大きくなって周囲を赤く染めていきました。
その荘厳な美しさに、参加者の皆さまも思わず言葉を失い、「すごい」「きれい」「感動した」といった声が自然にこぼれます。標高3,400mを超える場所で迎えるご来光は、やはり格別。ここまで登ってきた努力が報われたように感じる、忘れられない瞬間でした。
朝日を眺めながら、再び山頂を目指して登山を再開しました。ご来光の余韻を胸に歩き出すと、不思議と身体に力が湧いてくるのを感じました。
本八合目~山頂到着
本八合目を過ぎると足元は砂礫になり、傾斜もいよいよきつくなってきます。標高が上がるにつれて空気はさらに薄くなり、一歩一歩が重く感じられる区間です。ガイドは繰り返し声をかけながら、こまめに休憩を取り、無理のないペースで進んでいきました。
標高3,600m付近にある九合目の鳥居まで到着。このあたりはすでに富士山本宮浅間大社の境内に入っており、空気がぐっと引き締まるような神聖な雰囲気に包まれます。
岩だらけの険しい登りを越えると、白い鳥居をくぐって、いよいよ吉田口山頂(標高3,710m)に到着です。
「やった!」「登れた!」という歓声と拍手が広がり、疲れた表情の中にも大きな達成感があふれていました。
山頂には久須志神社(くすしじんじゃ)があり、別名・東北奥宮とも称されています。山頂に到達した証として参拝したり、御朱印をいただいたりする場所として人気があります。
また眼下に広がる雲海と大パノラマを眺め、登り切った余韻をゆっくり味わいました。日本一の頂上から見下ろす景色は、言葉では表しきれない感動がありました。
山頂には山小屋や売店があり、休憩や食事をとることができます。今回、私たちが休憩と食事で利用したのは「山口屋本店」でした。こちらでは温かい食事が提供されており、ラーメンや豚汁を注文される方が多い印象です。冷えやすい山頂で温かいものを口にできるのは、本当にうれしいひとときでした。
下山開始~五合目帰着(休憩)
装備や靴ひもの緩みをあらためて確認し、8:30頃に下山を開始しました。
登ってきた道とは異なる下山専用道は、しばらくの間「吉田ルート」と「須走ルート」が合流する区間を進みます。砂利道で滑りやすく、足元に注意しながら一歩ずつ下る必要がありました。下りは膝への負担も大きく、登りとはまた違った身体の使い方になります。ストックを活用して左右のバランスを取り、転倒しないよう慎重に進みました。
下山専用道には、登りのように山小屋がありません。下山中に飲み物が不足しないよう、ペットボトルは1〜2本分を確保しておきたいところです。私たちは八合目の山小屋で飲料を購入し、下山に備えました。
標高が下がるにつれて呼吸は楽になりますが、その分気温が上がり、汗もかきやすくなります。山頂の寒さとは違い、今度は脱水に注意が必要です。こまめに水分を取り、休憩を挟みながら下山を続けました。
下山中も楽しめたのが、富士山からの眺望です。青い空と白い雲が広がり、標高が下がっても美しい景色を味わうことができました。写真は七合目付近まで下山したタイミングで撮影したものです。
山頂から4時間40分かけて富士スバルライン五合目、昨日出発した場所まで下山してきました。
「お疲れ様でした!」という声とともに、達成感に満ちた笑顔が広がりました。参加者の皆様の表情には、疲労もありましたが大きな充実感がありました。ずっと下りが続き、足への負担が結構あり、やっと下山できたなあ、富士山に登ったんだという達成感が皆さん感じていると思いました。
五合目では、1時間弱時間をとって、お土産購入や休憩の時間としました。
紅富士の湯で入浴
富士スバルライン五合目をバスで出発し、山中湖温泉「紅富士の湯」へ向かいます。バスの中では、疲れもあってか、多くの方が静かに休まれていました。
14時過ぎ、紅富士の湯に到着。山小屋にはお風呂がないため、2日ぶりの入浴です。
登山で疲れた身体を、美人の湯と称される天然温泉が癒してくれました。世界的にも極めてめずらしい良質のアルカリ性単純温泉で、水素イオン濃度(pH)10.3という非常に高いアルカリ性の値を有しながら、成分的にマイルドな温泉です。
そして、筋肉痛、関節痛、疲労回復などの効能があります。
また、露天風呂からは富士山も望め、今登ってきた山を眺めながらの入浴はまた格別でした。室内大浴場には、全身浴、ジェットバス、気泡湯などがあり、富士山側はガラスになっており、露天風呂とは違った風景を楽しむことができました。
入浴後は、レストラン兼休憩スペースで昼食をとり、ゆっくりすることができました。
三島駅到着・解散
紅富士の湯を出発し、三島駅へ向かいました。バス車内では、添乗員より今回のツアーへの感謝のご挨拶。参加者の皆さまからも、温かい拍手をいただきました。
「本当に楽しかったです」「また参加したいです」「素晴らしい体験でした」と、うれしいお言葉をたくさんいただきました。中には「来年もまた来ます」と約束してくださる方も。
それぞれの帰路につかれる参加者の皆さまをお見送りしながら、無事にツアーを終えられたことに、添乗員として安堵と喜びを感じました。
まとめ(ツアーを振り返って)
今回のツアーは、天候に恵まれ、全員が無事に下山できたことが何よりでした。太子館の富士山登山ガイドの的確なサポートと、参加者の皆様の頑張り、そしてチームワークが、この成功を支えました。
特に印象的だったのは、本八合目で迎えたご来光の瞬間。あの感動的な光景と、参加者の皆様の表情は、忘れられない思い出となりました。
混雑する夜間登山のピーク時間を避けることで、比較的スムーズに登山できたこと。山小屋でしっかりと休息を取ることで、体力を回復させてから登頂に臨めたこと。これらが、高い登頂成功率につながると感じています。
来シーズンも、この「本八合目ご来光&富士山登頂ツアー」を実施予定です。富士登山が初めての方でも、安心してご参加いただける内容となっておりますので、ぜひご検討ください。
日本一の山、富士山。その頂上から眺める景色、そしてご来光の感動は、人生で一度は体験していただきたいものです。皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。