甑島は鹿児島県の南西、薩摩半島から西へ約30kmの東シナ海に位置する北東から南西方向に35kmに連なる列島です。北部の「上甑島」、中部の「中甑島」、南部の「下甑島」の有人島3つと多数の無人島で構成されています。島の名前は中甑島北部にある「甑(蒸籠)」の形をした巨石をご神体として甑大明神を祭ったことが由来です。
リアス式海岸と起伏に富んだ地形が特徴で、2015年には島全体が国定公園に指定されました。また四方を海に囲まれ、海流の恩恵を受けた豊かな漁場でもあり、名産の「キビナゴ」や「タカエビ」などが楽しめます。
年間平均気温は約18℃。一年を通して過ごしやすい温暖な気候です。
甑島の各島はその地形の違いからそれそれで違った表情が楽しめます。
北部の下甑島の「長目の浜」は島有数のビュースポット。幅50m、長さ4kmの砂州と、それにより海と隔てられた「なまこ池」など大小3つの池からなる独特の眺めはここでしか見られません。かつて2代目薩摩藩主島津光久がこの景観を褒め、「眺めの浜」と命名したことが由来とされています。
中部の中甑島は島の名前の由来でもある甑大明神が祭られているほか、カノコユリの群生ポイントがあります。
また、中甑島と下甑島とを隔てる藺牟田瀬戸海峡(いむたせたかいきょう)には全長1,553kmと鹿児島県内では最長の「甑大橋」が掛かり、上甑島と中甑島、下甑島を結んでいます。
南部の下甑島は多くの断崖や「ナポレオン岩」をはじめとした巨大な奇岩など、約8000万年前に形成された大迫力の絶景が特徴です。観光船かのこで巡るクルージングやシーカヤックでの海上散策は気分爽快!
また、下甑を代表する「手打海岸」は全長1.5kmの美しい白砂ビーチで夏シーズンは多くの観光客が訪れます。
甑島への交通手段は川内港より高速船「甑島」または串木野新港よりフェリー「ニューこしき」。1日往復2便が運航しています。東京・大阪からは鹿児島空港よりJRまたは高速バス、川内駅からシャトルバスを経由して各出発港へアクセス可能です。
甑島は手つかずの豊かな自然にあふれ、静けさに満ちた美しい島です。
日常の喧騒から離れ、風や波の音に耳を傾けながら島独特のゆったりとした時間を過ごしてみませんか。