高知県立牧野植物園|高知ツアー・高知旅行のビーウェーブ

こうちけんりつまきのしょくぶつえん

高知県立牧野植物園

公開日:2021.08.25

高知県立牧野植物園
レポ-ト
高知県立牧野植物園の正門

高知県特有の草花が咲き誇る「高知県立牧野植物園」

高知県立牧野植物園は、高知駅から車で約20分。高知市街地を望む146mの五台山の頂上付近にあります。3,000種類以上もの植物と、植物に調和する建築美を両方楽しめるのが魅力です。高知旅行では、訪れたい癒しのスポットです。まずは、正門から植物園入口までの「土佐の植物生態園」を歩いて行きましょう。

高知県立牧野植物園の正門から入口までの道

早くも植物がいっぱい

正門から植物園入口までの道は、緑が生い茂る木々のアーチとなっています。「土佐の植物生態園」といい、高知の豊かな自然が再現されており、多くの種類の植物が紹介されています。入口までのこのエリアだけで1時間ぐらい観賞される方もいるみたいです。確かに、早くも植物のオンパレード!

高知県立牧野植物園の入口

入口に到着

高知県立牧野植物園は、高知県出身の世界的な物理学者・牧野富太郎博士の業績をたたえ、広く世間に知らしめるために、1958年に開園しました。牧野博士が青年期によく訪れていた五台山という恵まれた自然環境の中で、牧野博士ゆかりの植物や、高知県特有の草花が咲き誇ります。いざ、牧野富太郎博士の世界に!

高知県立牧野植物園のチケット売り場

チケットを買って入園

入口の右手にある券売所で入園券を買いましょう。なんと高校生以下は無料です。園内ではスロープが設置され、車いすを利用の方や足の不自由な方もご利用いただきやすい環境が整えられています。

牧野富太郎記念館・本館

入口を入ると、まずはきれいなウッドデッキが一面に広がっている「牧野富太郎記念館・本館」。木目調の建物と植物園との調和がとても落ち着きます。「牧野富太郎記念館」の本館と展示館は、三重県にある「海の博物館」などを手掛けた建築士・内藤廣氏によって設計されました。木を基調とした建物は、自然にやさしく包まれており、「ここでずっとボーッとしていたいなあ」という気持ちになります。

高知県立牧野植物園の回廊

長い回廊

全長約170mの長い回廊。回廊の左右にもたくさんの植物が生い茂っています。この回廊の突き当りには展示館があるのですが、途中には2019年にオープンした「ふむふむ広場」と「こんこん山広場」があります。どこから行こうかなあ?

高知県立牧野植物園のふむふむ広場看板

体験型広場「ふむふむ広場」

回廊の左側には、ふむふむ広場が広がっています。ふむふむ広場では、植物に触ったり、匂いをかいだりしてふれあいを楽しむことができます。「ふむふむ」とうなずきながら学ぶというところから、「ふむふむ広場」と名付けられました。「ふむふむ」と納得がいくネーミングですね。

ふむふむ広場のワタチョロギ

不思議な手ざわり

これは、「ワタチョロギ」というシソ科の植物です。葉っぱを触ってみると、なんとも不思議な手ざわり。綿を触っているかのようで、フワフワです。気持ちよくて、ずっと触っていたい!

ふむふむ広場の香りのコーナー

いい香りがあちこちから

なんだか、あちこちからいい香りが漂ってきました。香りのコーナーでは、あまい香りやさわやかな香りが飛び交っています。虫にとってはパラダイス!

ふむふむ広場のレモングラス

これは、まさにレモンのすっぱい香り!「レモングラス」というイネ科の植物です。見た目は稲そのもので細長い草なのですが、そこから漂う香りはなんともフレッシュなレモン風味。タイではトムヤンクンの香り付けにも用いられています。

高知県立牧野植物園のサクユリ

世界最大のユリ

回廊を抜けると、丈も花の大きさも超ビッグサイズのユリが。「サクユリ」という世界最大のユリで、伊豆諸島に自生するヤマユリの変種です。花径約30cmの花はとても鮮やかできれいです。

高知県立牧野植物園の牧野富太郎記念館・展示館

牧野富太郎博士の生涯を辿る

牧野富太郎記念館・展示館では、牧野博士の生涯の展示や牧野博士の植物観を作品にした4K映像を220インチの大画面で体験できるシアターなどを楽しめます。本館と同じく、木目調の建物が中庭の植物と調和しており、とても癒されます。中庭には、牧野博士ゆかりの植物が約250種類植栽されています。

展示館の少年期展示

ハンサムな少年期

展示館に入ると、牧野博士が故郷の高知県で過ごした少年期から、青年期、壮年期、晩年までの生涯が順に紹介されています。少年期はとてもハンサムです。あれっ!演歌歌手の○○きよしさんに似ていませんか?

展示館の壮年期展示

ダンディな壮年期

壮年期はとてもダンディな紳士ですね。牧野博士はとてもオシャレで、植物採集に行く時でも、蝶ネクタイにタキシードというスタイルだったらしいです。なぜなら、牧野博士にとって植物は恋人だったのです。なんてメルヘンチックなのでしょう。

牧野博士の描画道具

牧野博士の描画道具

これは、牧野博士が実際に植物を観察して、植物図を描く際に使用した道具です。植物図は絵画やデッサンとは違い、より細かい部分の描写が必要となります。牧野博士はどれだけ器用だったのか?

展示館の植物図

牧野博士の晩年の書斎を再現したコーナーです。本と標本作りのための新聞紙が山積みです。牧野博士は約5万冊もの書物を所蔵しており、常に多くの書物に囲まれ日夜研究に没頭していました。足の踏み場がほとんどありません。牧野博士の人形はとてもリアルで、今にも動き出しそうです。

展示館の書斎

繊細な植物図

館内には、牧野博士自筆の植物図が数多く展示されています。どれもとても細かく描写されており、牧野博士が丁寧に伝えようとした気持ちが入っています。

展示館のシアター

高画質な4K映像を220インチの大画面で

2019年に新設された国内の植物園初の4Kシアター。ここでは、牧野植物園でしか見られないオリジナル作品が4種類楽しめます。上映時間はどれも約13分で、時間帯によって上映作品が決まっています。おすすめは「牧野博士とめくる植物園カレンダー」です。牧野植物園の四季を、あたかも牧野博士がガイドしてくれているような作品で、植物園の知られていない魅力まで教えてくれます。映像は220インチの大画面で、鮮明かつ植物の細部にわたるまで見ることができます。

中庭文庫とカフェアルブル

散策の合間にひと休み

展示館を出ると、中庭を眺めながらひと休みができる「カフェアルブル」があります。その一角には、「中庭文庫」という牧野博士に関する書籍が閲覧できるブックカフェもあります。牧野博士の本を読みながら、中庭の植物を眺めながら、コーヒーを飲みながら。なんて、のんびりとしたひと時なのでしょうか。

高知県立牧野植物園のトビカズラ

伝説の花「トビカズラ」

次に「カンナ&ローズ園」を進んで行くと、トビカズラという植物が現れました。トビカズラは、国内では4ヶ所のみで自生しているとされる貴重な植物です。しかも、花と果実をつけた事例が多くないそうですが、牧野植物園では毎年たくさん開花して実をつけます。前世は「観音様」という伝説も残っています。トビカズラの前では手を合わせましょう。

トビカズラのつる

トビカズラのつるが絡み合う姿は、森の要塞って感じです。ここに紫の花がたくさん咲く時期は、きっと格別にきれいなのでしょう。例年4月中旬~5月下旬頃が見ごろ。d

牧野富太郎像

植物に囲まれて幸せそう

たくさんの植物の中から忽然と牧野富太郎博士が現れました。右手には、カラカサタケというキノコを持っています。牧野博士は植物の中でも特にキノコが好きだったらしいです。それにしても、これだけの植物に囲まれて、牧野博士はさぞかし幸せでしょう。

土佐寒蘭センター展示棟入口

寒い時期に咲く「寒蘭」

さらに進むと、土佐寒蘭センターに着きました。牧野博士により命名された「寒蘭」は、寒い時期に咲くため「寒蘭」と呼ばれています。

土佐寒蘭センターの寒蘭1

残念ながら、時期的に花は咲いていませんでした。けど実際は、寒蘭の葉や新芽にこそ観賞の魅力があるらしいです。花屋さんや蘭好きの方にとっては、たまらないでしょうね。

土佐寒蘭センターの寒蘭2

土佐寒蘭センターには、寒蘭以外の植物も展示されています。どれも希少な品種で、見ているだけで緊張してしまいます。

高知県立牧野植物園のアジサイ

竹林寺の参道とアジサイ

牧野植物園は元々、竹林寺の土地を譲り受けて造られました。これには牧野博士の「植物園を造るなら五台山がいい」というこだわりがありました。今でも、竹林寺の境内だった古い石垣や参道がそのまま残っています。その脇には、牧野植物園の見どころの一つでもある、多くの種類のアジサイが咲いています。その数約80種類。アジサイってそんなに種類があるんですね。

高知県立牧野植物園の温室入口

人気の温室へ

園内の散策もいよいよ佳境を迎えます。園内でも人気が高い温室です。さあ、ジャングルに突入だ!

温室入口の塔

入口を見上げると、ついカメラを向けたくなる光景が。大木の洞窟をイメージした高さ9mの塔になっています。まるでアニメに出てきそうな空間です。

温室に入場

温室ということは、熱いだろうなあ!と思いきや、そうでもありません。室内には滝や池があり、水が多いことで案外涼しい空間が作られているのです。草の茂みから、今にも巨大なハ虫類が飛び出てきそうです。

アリストロキア・サルバドレンシス

人面花?

なんだか人の顔みたい!「アリストロキア・サルバドレンシス」という、とても長い名前のこの植物は、中米の熱帯雨林に自生します。虫とかを食べてしまいそうな感じで、ちょっと不気味です。

温室の熱帯植物

これは絶対に虫を食べるぞ!

オオオニバス

巨大なオオオニバス

2階の展望デッキに上がると、その前に池が現れました。そこに大きな葉っぱがいっぱい浮いています。「オオオニバス」といい、大きいもので1枚の葉が直径2mにもなります。オオオニバスに乗れるイベントを実施している時期もあり、体重15kg以下のお子様であれば体験できます。楽しそう!

オオオニバスの裏

オオオニバスを下から覗いてみました。下からの方がより一層の迫力があり、理科の授業の観察をしているようです。

高知県立牧野植物園の南門

牧野富太郎博士の世界に大満足

帰りは南門から出ましょう。南門は竹林寺の目の前にあるので、行程によっては、南門から入園して逆回りすることも可能です。

知県立牧野植物園のバス停

また、南門の目の前にはJR高知駅発着の「MY遊バス」が停まるバス停があります。バスで来園の際は便利です。

牧野富太郎博士が、生涯で収集した植物の標本は約40万枚、命名した新種や新品種の植物は1,500種類以上といわれています。高知県立牧野植物園では、牧野博士の愛した植物たちにふれあい、学び、また牧野博士の生涯の生き様に感動すら覚えます。高知旅行で高知県立牧野植物園を訪れて、牧野富太郎ワールドを体感しましょう。

MAP

基本情報
交通 JR高知駅から車で約16分、高知空港から車で約22分、高知I.C.から車で約20分
入園料 一般730円 ※高校生以下無料
時間 9:00~17:00
定休日 12/27~1/1 ※メンテナンス休園日は、公式ホームページにてご確認ください。
駐車場 あり(無料)
住所 高知県高知市五台山4200-6
TEL 088-882-2601