公開日:2023.07.26
久礼大正町市場をビーウェーブのスタッフで体験してきました。定休日や時間の都合で全店取材はできませんでしたが、①~⑧の店名を押してレポートをご覧いただけます。
パンフレットや観光案内によく登場する「久礼大正町市場」のアーケード入口にあるカツオの看板。そこには、カツオ一本釣り400年の歴史を持つ漁師町のシンボルとして「カツオ」が描かれています。
久礼大正町市場のアーケードを入ると大漁旗が舞う中で、魚を中心としたショーケースが並び、青果や惣菜、お土産などを販売する商店が並ぶ昔懐かしい雰囲気です。
こちらは出口側にある看板です。さすが鰹漁師の町!恵比寿様が抱えるのは鯛ではなくカツオです。入口の看板だけではなく、反対側の看板もぜひ写真に収めてください。
車で行かれる場合、久礼大正町市場お客様無料駐車場(マップ⑦高知屋上にある左右2ヵ所のP)からアーケード入口までは徒歩約1分、津波避難タワー横のふるさと海岸駐車場からは徒歩4分程と駐車場も充実。駐車場も近くてアーケードもあるので、雨の日も楽しめるおすすめスポットです。
こちらは、久礼大正町市場のアーケードの入口にある山本鮮魚店。久礼大正町市場のアーケード入口を入った1軒目です。建物の外壁にある大きな看板が目印です。
山本鮮魚店は、カツオの藁焼きタタキへの強いこだわりを持つお店です。藁焼きに使用する藁はご主人が地元農家と契約し、藁の香りを引き出すために藁の収穫や乾燥を自ら行うほど。そのこだわりの藁100%で焼き上げるカツオはもちろん地元の一本釣りの新鮮なカツオです。自ら捌いて見極めて使用しているそうです。これだけのこだわりがあれば、そりゃ自信があるタタキができることでしょう。
食堂の営業時間は11時~14時頃までで、かつおの塩タタキ丼950円、かつおのタタキ丼950円、かつおの食べ比べ丼1,100円などカツオの丼以外にかつおの藁焼きタタキの単品800円や魚屋の海鮮丼950円、海鮮ユッケ丼900円などもあります。かつおの食べ比べ丼は、カツオの刺身とタタキが両方楽しめるという何とも贅沢などんぶりです。
店内を2023年4月にリニューアルしたばかり。テーブル席が6席とカウンターで合計20名ほどが座れます。
カウンターの奥は調理場で、立ち上がれば魚をさばく様子を見ることができます。
迷った挙句、今回はかつおの塩タタキ丼をいただくことにしました。実際のどんぶりが出てくると、メニューの写真以上にカツオがぎっしりと詰まっているようにも思えました。
脂がのっているせいか、ツヤツヤ感がハンパありません。その上にまぶされた塩は、氷の結晶のようにきれいです。
カツオのタタキは今までタレでしか食べたことがなく、塩は初体験です。それにしても、一切れが超ビッグサイズです。
ご飯と一緒にガッツリ頬張っちゃいました。藁焼きのやさしい香りの後にカツオの旨味が口いっぱいに広がります。塩味はご飯とも合いますが、お酒はもっと合うかも。一度食べ始めたら、もう止まりません。
店頭では近くの久礼漁港で水揚げされた新鮮なカツオが販売されています。背節と腹節がありますが、腹節は脂が多めで、背節はあさっりとした味わいだそうです。是非食べ比べをしてみてください。
ここから全国に発送することも可能です。カツオは生と冷凍の2パターンがありますので、お好みによって選ぶことができます。冷凍でも急速冷凍しており生同然の鮮度が楽しめます。家でこの味を堪能できるなんて幸せですね。
久礼大正町市場でカツオを食べるなら、本物をとことん追求している山本鮮魚店の藁焼きタタキを試してみては。
山本鮮魚店の営業時間は食堂が11時~14時、店頭販売が10時~16時まで。定休日は月曜日と木曜日です。(メニューや料金、店舗情報など2023年6月時点での情報です)
久礼大正市場にある老舗「田中鮮魚店」は久礼漁港のある魚市場から大正町市場にあるお店まで車でたったの5分!水揚げされたばかりの魚がお店に並びます。そしてこの鮮魚店は向かいにある飲食スペース「漁師小屋」で、とれたてピチピチの魚をお造りで頂くことができます。
まずは漁師小屋にある予約表に名前を書き入れ、向かいの売り場でお好みの魚を選びましょう!今回はお店の人に今日のおすすめを聞いて盛り合わせにしてもらうことに。
今回は高知名物でもあり、お店の看板でもある”カツオ”を「刺身」と「タタキ」にして頂くことにしました。
魚を注文し、準備ができると店内に呼ばれるスタイルです。このようにテーブル席やカウンター席があり、お刺身が運ばれてきます。お茶や醤油皿はセルフサービスです。
盛られた魚を見て思わず「すごい!めっちゃピンク色やん!」と声をあげてしまいました。新鮮な魚の証ですね。上が生カツオのお刺身、下がカツオのタタキです。(写真は二人前)
大きくカットされたカツオは食べ応え抜群!ちょうどいい柔らかさと食感がたまりません。
田中鮮魚店は、「鰹ソムリエ」の店主のほか、目利きに厳しいスタッフたちが、カツオを選別しています。カツオは他の魚よりもその選別は難しいそうで、実際にさばいてみて初めて、良し悪しの判定ができるのだとか。
また、久礼のカツオは土佐沖で釣ってその日に戻ってくる「日戻り漁のカツオ」です。そして久礼の漁師は効率よく捕れる網漁ではなく「一本釣り漁」でカツオを獲ります。この一本釣りが美味しい刺身を頂けるポイント!網漁だと網のなかで魚同士がおしくらまんじゅう状態になり身が傷つきやすいですが、一本釣りはダメージが少ないそう。日もどりで帰ってくるから一度も冷凍されることなく、生のカツオを楽しむことができる。ここまでのこだわりがあるからこそ、美味しいカツオの刺身が食べられるんです。田中鮮魚店のこだわりはハンパない!
お刺身だけでも楽しむこともできますが、ごはんと味噌汁セット(300円)も別途注文することができます。このセットに付いているお味噌汁の出汁が良いんです!鯛で取った出汁を使っていて風味もよく、とても優しい味ですよ♪
合わせるとこんな感じ!カツオ定食の完成です!
田中鮮魚店にはカツオを使ったオリジナルの加工品も販売しています。特に売れ行き好調なのが黄色いパッケージが特徴的な「THE タナカのツマミ」。こちらは刺身では使用することができない「ゴシ」を使っている加工品です。ゴシとは生で食べるには、身が固かったり臭いがするカツオのこと。ただし、加熱すると美味しく食べられるので、無駄をなくすためにかつお節メーカーと協力してできた商品です。
醬油などに付け込んで煙でいぶして乾燥させた削り節は、ごはんやパスタにも合い日持ちすることからお土産に最適!2021年の10月に販売以来、田中鮮魚店の人気商品となりました。こちらは道の駅なかとさでも販売しています。(メニューや料金、店舗情報など2023年6月時点での情報です)
久礼お宮さん通りの観光拠点「ぜよぴあ」の隣にあるのが、鰹めしが有名なむつみ屋です。隣の「ぜよぴあ」の青い看板が目立つのでこれを目印に行ってみてください。
店内は4名掛けのテーブルが2個とカウンターの合計10席ほど。入口のショーケースやカウンターにテイクアウト用の商品も並びます。
こちらが、鰹めし発祥の店「むつみ屋」の鰹めし(テイクアウト用)。この日は量によって200円と300円の2種類が並んでいました。
独自のダシとタレで煮込む鰹めしの具材は、冷めると臭みが出て美味しく食べられなかったそうで、日々研究と改良を重ねたそうです。臭みを取るコツは、根気よく臭みのもとを取り除く。これが中々できないんですよ~、とご主人が教えてくださいました。
久礼のカツオを使った自慢の鰹めしを、せっかくなので店内でいただきました。
しっかりとカツオの香りが広がるやさしい味の鰹めしは、臭みがなくモチモチご飯。
鰹めしは単品だけでなく、向かいの岡村かまぼこ店で販売されている「くれ天」とうどんがセットになった「かつおめし定食」や、この日は販売していなかった「かつおラーメンセット」も提供されています。
こちらが向かいの岡村かまぼこ店の「くれ天」。土佐沖で獲れた小魚をすり潰した天ぷらはカルシウムたっぷりのプリプリ食感。1枚80円で手軽に味わえるので食べ歩きにもぴったりです。
久礼の鰹を特製の鰹メシや、かつおラーメンでいただけるお店、むつみ屋に是非お立ち寄りください。(メニューや料金、店舗情報など2023年6月時点での情報です)
久礼大正町市場のこの入口を入らず車道沿いに左へ、久礼お宮さん通り商店街を3軒ほど歩いた店がご紹介する「とみぃの台所」です。
看板にもある通り、元カツオの1本釣り漁師だったご主人が漁師めしを再現してこのカツオのまちで味わえるというお店です。
店内はテーブルとカウンターで10数席のシンプルな造り。中央の大漁旗が目を引きます。
店内にはさすが元漁師のお店、実際に使用していた疑似餌が飾ってありました。
店内のメニュー、カツオ、かつお、鰹、KATSUO。刺身、炙り、揚げる、砕くといった思いつくすべての調理法で思う存分カツオを楽しめます。
数ある鰹メニューから、まずは看板メニューの「なぶら丼」をいただきます。
メニューの名前にもある「なぶら」とは、漁師用語で魚の群れを指す言葉だそうです。
新鮮な鰹の刺身と炙り焼きを一つの丼ぶりでいただけるメニューで、特製のすまし汁と小鉢がついて税込み900円。ご飯の量が軽めの丼ぶりなので周辺の店も食べ歩きたい方にはちょうど良い量です。
少し食べたところでお店の方から、漁師さんは長期の漁だと味の変化によくマヨネーズを使うらしく良かったら試してみて、と。正直、生のカツオにマヨネーズ!?と驚きましたが、これが意外と合うんです!
それがメニューになったのが、こちらの「漁師めし」です。
鰹の一本釣り漁師だった店主が船の上で食べた定番の丼ぶりで、自家製ダレに付け込んだカツオにマヨネーズと薬味をかけたメニュー。
何だかもったいない気もしたけど、これもアリと思える癖になる1杯です。
こちらも特製すまし汁と小鉢が付いて、お値段850円。
他にも、鰹と薬味を細かく叩いた「なめろう」をたっぷりとご飯に載せた「鰹なめろう丼」や鰹を揚げた「鰹カツ」が載った「鰹カツカレー」など気になるメニューがいっぱいのとみぃの台所、ぜひお立ち寄りください。(メニューや料金、店舗情報など2023年6月時点での情報です)
こちらは市場食堂ど久礼もん。オシャレな黒の木目調の外観が一見洋食店を醸し出しています。実際は地元の食材を生かした和も洋も楽しめる食堂となっております。メニューの写真や絵を見ているだけでワクワクしてきます。
場所は久礼大正町市場のアーケード入口の真ん前。ここから商店街の店がずらりと立ち並ぶ始点となっています。
メニューはそれほど多くありませんが、久礼大正町市場の他の店とは一風変わったメニューがあります。海鮮スープカレーと焼きラーうどんです。是非いただいてみましょう。
店内はテーブルが3席で定員が15名程度ですが、満席の場合は斜め向かいにある無料休憩所「ぜよぴあ」に運んでくれるので安心。
注文するとオープンキッチンから調理の様子が見えて手作りの食堂という感じがして、何とも食欲をそそります。
まずはたっぷりの海鮮と国産野菜のスープカレー「なぶらスープカレー」です。なぶらは土佐弁で魚の群れを意味し、その名のとおりカツオだけでなく、他の海鮮も入ったスープカレーです。
さあ、出てきました。スープカレーにライスとサラダがついた「なぶらスープカレー」1,000円。ご飯は白米とバターライスがチョイスできます。スパイシーな香りとボリュームのある見た目、楽しみです。
コンロで熱々に熱せられた石鍋に出す直前に盛られたスープカレーは、激しくグツグツ音を立てて運ばれてきました。お店の方に「熱いうちにどうぞ。」と言われましたが、食べれるかなあ?
ご飯にスープを少しかけ、少し冷ましながら慎重に一口。カツオや他の海鮮から出たダシに野菜の甘味が加わり、スパイスがピリッと効いて大人の海鮮カレーになっていました。
イカが入ったカレーは初めて食べましたが、とても合います。家のカレーにもリクエストしよっと!
「なぶらスープカレー」には、大きく切られたニンジン、ジャガイモ、なすなど国産野菜もたっぷりと入っています。スープカレーと言えば北海道のイメージが強いですが、ど久礼もんの海鮮スープカレーは北海道出身の芸能人も絶賛したことがあるらしいですよ。
次に、焼きラーうどん。漁師のラー油を使用した焼きうどんらしいです。漁師のラー油とはカツオが入った食べるラー油です。これ絶対おいしいやつやん!
これもまた熱々の鉄板で出てきます。麺の上には地元産の鰹節が踊っています。
普通の焼きうどんより少しピリッ辛ですが、生卵と絡めることによりとても食べやすくなります。この味最高っ!ビールが飲みたくなってきます。
ど久礼もんは店外のテイクアウト用カウンターで注文して、テイクアウトもできます。
他の店のテイクアウトと一緒に、「ぜよぴあ」で色々と食べ比べも楽しいかもしれません。
お店の入口には、先程の焼きラーうどんに入っていた「漁師のラー油」がお土産で販売されています。テレビやメディアでも紹介された一品を気に入ったらお土産にどうぞ。
なんと、漁師のラー油にイカが入っている「いか大王」というのもあります。ご飯のお供ランキングNo1間違いなし!
ど久礼もんの開店時間は10時で、閉店時間は日によって16時となっております。定休日は水曜日です。(メニューや価格、営業時間などは2023年6月時点の情報です)
1921年(大正10年)創業で100年以上の歴史がある、こちらの「高知屋」をご紹介します。昔ながらの商店という感じでレトロ感たっぷりの店は、入口の看板や涼み台もどこか懐かしい雰囲気です。
「高知屋」は、久礼八幡宮の鳥居を出てすぐ左に店舗があります。大正町市場の駐車場からもふるさと海岸無料駐車場からも徒歩1分ほどの場所です。
入口には、タライに大きな氷という昭和の風情たっぷりの方法で持ち帰り用が販売されています。白い袋詰めがところ天、茶色の袋がカツオだしで、中央に見える白い塊は大きな氷の一部です。
店内にはテーブルと椅子がシンプルに並び、自慢の鰹だしのところ天やかき氷を店内でも楽しむことができます。
こちらが創業以来受け継がれてきた、ところ天。
関東では酢醤油とからし、関西では黒蜜ときな粉が一般的ですがカツオのだし汁でいただくところ天は今回が初めて。高知といえば鰹、鰹といえば久礼ということで周辺に鰹節店が多くあり鰹のだし汁でたべるところ天が作られるようになったそうです。
こちらが創業以来受け継がれてきた、ところ天。
よく冷えたところ天は、注文してから専用の突き棒で麵状に仕上げて出してくれます。ツルっとした食感のところ天を出汁と一緒に頬張れば、あっさりした中にもカツオの風味がしっかりと感じられます。
高知県産の天草や鰹節にこだわって、手作りされた名物のところ天は、3月~9月の期間限定販売なので行かれる際にはご注意ください。(メニューや料金、店舗情報など2023年6月時点での情報です)
久礼八幡宮は、久礼大正市場の南に位置する神社です。歴史は古く室町時代に建立されたといわれています。漁師町であるこの地を何百年もの間見守ってくれている八幡様です。
旧暦の8月14日、15日に行われる久礼八幡宮大祭は土佐三大祭りの一つで、戦国時代から続く祭りです。火で燃え盛る大たいまつを持った行列が町を練り歩いたり、太鼓と太鼓をぶつけ合う「けんか太鼓」があったりと、かなり激しい祭りのようです。
こちらが久礼八幡宮の正面入口。2基ある鳥居の向こうに社殿が見えています。
二の鳥居。こちらの鳥居はかなり年季が入っています。1707年の宝永地震の津波で久礼八幡宮の歴史についての詳細は失われ不明な点が多いそうです。きっと、いくつもの災害にも負けずに立ち続けているのでしょう。
こちらは、久礼大正町市場の駐車場からすぐにある久礼八幡宮の側面入口。
参道は多くの木々で覆われており、左手は地元の子供たちの遊び場となっている公園があります。
こちらが久礼八幡宮の社殿です。宝永地震による津波で社殿が破損し、1825年に現在の社殿が再建されました。江戸時代後期の建築様式を残す貴重な建物です。
社殿には大きな絵馬が2つ奉納されています。1つは「カツオ」、もう1つは「カツオのタタキ」。カツオはわかりますが、カツオのタタキの絵馬はこの町ならではの感じがとても強く出ていますよね。
社殿の左手に「厄ぬけ石」と書かれた看板があります。
奥に入って行くと、そこには穴の開いた大きな岩があります。決して大きいとは言えない穴です。果たして無事通り抜けることができるのでしょうか。不安でいっぱいです。
まずは頭から。
次に手も通して。
最大の難関、お腹もどうにか通り、無事通り抜けることができました。あっ、願い事するの忘れた!
久礼八幡宮の中から鳥居の外を見ると、海が見えます。海岸まで行ってみましょう。
太平洋に面した久礼湾にあるこの一帯の海岸は中土佐ふるさと海岸という名前で親しまれています。ここからの朝日は絶景で、特に11月~2月には「けあらし」という海にできる霧が幻想的な景色を生み出し、朝日がだるまの様に見える「だるま朝日」が見れる日もあるみたいです。写真映え間違いなしでしょう!
鰹供養碑はカツオへの敬意と感謝を込めて供養している石碑です。カツオの恩恵を受けている町だからこそ、この気持ちは大切ですね。
これは漫画「土佐の一本釣り」の作者・青柳裕介先生の石像です。地元が題材になっている漫画には愛着が湧きますよね。石像ができるぐらいなのでこの町への功績はかなり大きかったのでしょう。
高知旅行で久礼大正町市場を訪れる際は、是非久礼八幡宮をお参りし、ふるさと海岸を散歩してみてください。冬には運が良ければ神秘の光景「だるま朝日」に遭遇することができるかもしれません。