公開日:2020.7.30
車で白浜に行く際にぜひ訪れていただきたい場所がこの道成寺です。創立は大宝元年(701年)、本堂は国の需要文化財に指定されており、国宝や文化財指定の仏像などが祀られている場所です。
1300年以上の歴史がある道成寺には、いくつもの不思議が隠されています。その数々の不思議、そこにこめられた仏法と歴史のイメージをまとめたものが「道成寺の七不思議」です。敷地内に7つの立て看板があり、不思議についての説明が書かれています。ぜひ1番から7番まで順番に回ってみてください。
塔を下から覗いてみると、1・2階と3階とで屋根を支えている、支柱の向きが違うのに気づきましたでしょうか!1・2階はまっすぐに支柱が入っている平行垂木(へいこうだるき)で支えられているのに対し、3階は斜めに支柱が入っている扇垂木(おうぎだるき)で支えられています。なぜ階数によって作り方を変えたのかわからないというところから、七不思議の一つに選ばれています。
実はこの話には逸話があり、塔を再建していた棟梁(とうりょう)が2階まで作り終えたところに、1人の巡礼者が話しかけ扇垂木(おうぎだるき)でのつくり方を教えました。作り終えると1・2階よりも素人に教わった3階の方が美しく、「素人に教わるようでは」と3階からノミを口にして飛び降り自殺したと言われています。ですが、おそらく飲みすぎで命を落としたというのが真実らしいです。
春には綺麗な桜が咲くこの場所は、絵とき説法の話で出てくる「安珍」と「清姫」の物語で、安珍が清姫に鐘の中で焼き殺された場所とされています。植え込みの発掘調査はされてないようですが、その周りからは焼けた土が見つかっているそうで、清姫が鐘に火をつけた跡なのか、それともただの焚火の跡なのかは今も謎のままです。
場内で七不思議を見た後に縁起堂へ向かい、絵とき説法を体験しました。日本で唯一絵巻を使った「絵とき説法」を見ることができる道成寺。「絵とき説法」とは、古くから伝えられる「安珍」と「清姫」の2人の物語を、わかりやすく紙芝居のように、話を聞かしていただくものです。時間は約40分ですが、読み聞かせてくださるお坊さんの話は面白く、笑い声が聞こえたりして和やかな雰囲気でした。天井には作中に登場した釣り鐘の模型などが飾られています。
絵とき説法で物語を聞いた後、館内の渡り廊下を渡った先にある仏像を見学しました。道成寺には大変貴重な仏像が多くあり、国宝3点、重要文化財11点、県指定文化財4点が収められています。
その中でも1番貴重なものが、日本最古とも言われる千手観音像。この仏像は1300年も前に作られたそうです。実際に見ると、そんな昔に作られたとは思えない繊細な造りに昔の職人の腕のすごさを感じました。それと同時に特別な力をもらえたような気がします。この会館の中には自身の干支を守ってくれる仏像が祀られています。
私はネズミ年なので、正面にあった千手観音像でしたので、しっかり拝みました!皆様もご自身の干支を守ってくれる仏像をご覧になってみてはいかがでしょうか。
白浜駅より大阪方面へ車で走ること約1時間。御坊ICで降りて10分ほどで到着です。参拝可能な時間は午前9時から午後5時までとなっていますが、午後4時以降になると、絵とき説法が聞けない場合があるのでご注意ください。団体での立ち寄りも可能です。絵とき説法の20名様以上での拝聴は道成寺のホームページから予約してください。道成寺の不思議や歴史について、学んでみてはいかがでしょうか。
住所 | 和歌山県日高郡日高川町鐘巻1738 |
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拝観時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 年中無休 |
駐車場 | あり(有料) |