公開日:2021.4.14
五島列島と言えば隠れキリシタンで有名な島です。そのため、島内には今でも数多くの教会が残されています。
この教会は上五島の頭ヶ島にある「頭ヶ島天主堂」です。頭ヶ島では、1軒を除いてその他すべての人がキリシタンであったと言われています。
現在、お客様の増加に伴う交通混雑の解消のため、頭ヶ島天主堂への車両乗り入れが制限されています。(2020年9月現在)
訪れる際は、長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンターへの事前連絡が必要です。無断での立ち入りは禁止されています。
今回私たちは頭ヶ島天主堂行きのシャトルバスに乗車しました。シャトルバスは、以前上五島空港があった施設を再利用した停留所より出発します。
【追記】2021年4月1日から「頭ヶ島パーク&ライド」を廃止し、直接乗り入れができるようになっています。
駐車台数に限りがありますので、係員の指示に従って下さい。
空港の跡地には、頭ヶ島天主堂の内部の写真や、その他の教会の貴重な資料や写真などが展示されています。シャトルバスが出発するまでの待ち時間に、天主堂がどんなところなのかを学ぶのにぴったりです。
それではバスに乗り込み、頭ヶ島天主堂へと向かいます。
バスを降り歩くこと数分、ここが頭ヶ島天主堂です。残念ながら教会内の撮影はできません。皆さんの心のフィルムに刻み込んでください。
また、この頭ヶ島天主堂は、現在もキリシタンの方がお祈りに利用されている場所ですので、してはいけないことがいくつかあります。
① 祭壇の所は神聖な場所です。絶対に立ち入らないようにしましょう。
② 礼拝は神聖な儀式です。写真撮影は止めましょう。
③ 教会内での飲食や、タバコの喫煙は禁止です。
④ 大声で騒ぐ、走り回るのもマナー違反になります。
⑤ 教会堂内にはいろんな物(聖書、祭礼品、装飾物など)があります。むやみに手を触れないようにしましょう。
上記の他にも注意しないといけないことがあるので、ご旅行の前に一度ご確認ください。
天主堂の外壁は珍しい石造りとなっており、その昔、建設の際に近くの島から石を切り出し、船で運んで建設したそうです。
また、内部は重厚な外観とは裏腹に、椿をモチーフに作成された花柄模様が随所にあしらわれた華やかなデザインとなっています。
ここまで内部と外部でデザインが違うのは大変珍しく、2001年に国の重要文化財にも指定されています。
ぜひ椅子に腰かけ、館内をゆっくり見渡してみてください。私は、教会内だけ時間の流れがゆっくり過ぎていくように感じました。
滞在のお時間にもよりますが、椿の絵をモチーフに作られたステンドグラスを通して差し込む太陽の光が、とても鮮やかできれいです。
天主堂の見学が終われば、バスの発着場所まで移動します。移動時間は5分程度です。道中には陶芸ギャラリーやキリシタン墓地などの立ち寄り場所がありますので、バスを待つ間に少し散策してみてはいかがですか?
なお、白浜遺跡からは縄文時代の人の人骨や石器、古墳時代の須恵器などが発掘されたそうです。
椅子や草の上に座って潮風を浴びてみてください、とても気持ちいいですよ。
目の前に見える島は「ロクロ島」。地元の方の話によると、仰向けに寝ている女性の体のように見えるとの事。顔の部分は今いる頭ヶ島になるそうで、「ロクロ島」をろくろ首島と呼ぶ人もいるそうです。実際はどのように見えるのでしょうか?現地でお確かめください。
頭ヶ島天主堂は、昔の隠れキリシタンの事などが分かる貴重な国の重要文化財です。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
MAP
住所 | 長崎県南松浦郡新上五島町友住郷頭ヶ島638 |
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営業時間 | 9:00~17:00 ミサ/第2&第4日曜 15:00~17:00 |